TOPHATエイズ対策25年史

HIV/エイズとの闘いについて、国連合同エイズ計画(UNAIDS)がファクトシートのかたちで、1981年から2005年までの25年間の歴史を簡単に振り返っています。
http://data.unaids.org/pub/FactSheet/2006/20060428_FS_25YearsofAIDS_en.pdf
以下はその仮訳です。 (続きを見る)

なお、詳しいHIV/エイズ年表については、AIDS&Society研究会議のHATプロジェクトでまとめたものがあります。ブログをご覧ください。
1980年代  http://asajp.at.webry.info/200501/article_8.html
1990年代  http://asajp.at.webry.info/200501/article_9.html
2000年以降 http://asajp.at.webry.info/200501/article_10.html


◎エイズ対策25年史
1981年6月、米国の医師らが後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome)またはAIDSとして後に知られるようになる病気の最初の症例を報告。25年後、エイズの流行は世界の隅々にまで広がっている。世界では現在約3300万人がHIVに感染して生きており、2500万人がこれまでにエイズで死亡している。ただし、25年に及ぶエイズの流行との闘いは多数の画期的成果も上げてきた。

1959年
・これまでに確認されている最も古いヒト免疫不全ウイルス(HIV)はこの年にコンゴのレオポルドビル(当時、現在はキンシャサ)で男性が提供した血液サンプルから見つかっている。

1981年
・異常な免疫システムの不全症例がゲイ男性、女性、薬物注射使用者の間で確認された。

1982年
・後天性免疫不全症候群(AIDS)の症例の定義が初めて定められた。血液、母子感染、性行為の3つの感染経路がこの年のうちに確認された。

1983年
・フランスのモンタニエ博士のグループがlymphadenopathy-associated virus (LAV)の分離に成功。後にこのウイルスがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)として知られるようになる。
・異性間の性感染によるエイズの流行が中部アフリカで明らかになる。

1984年
・米国のロバート・ギャロ博士がHIVをエイズの原因と特定。

1985年
・エイズの流行が世界規模で拡大していることが明白になる。1985年時点ではすでに、世界のすべての地域でHIV感染症例が最低1件は報告されている。
・米国とヨーロッパで最初のHIV抗体検査が認可され、献血血液に対するHIVスクリーニング検査が始まる。
・米ジョージア州アトランタで第1回国際エイズ会議が開催され、2000人以上が参加。
・中央アフリカ共和国のバンギで開かれた世界保健機関(WHO)のワークショップで途上国向けのエイズの診断基準が作られる。
・映画スターのロック・ハドソンが国際的な有名人として初めてエイズ患者であることを公表。

1986年
・国際HIV陽性者委員会が作られる。この委員会が後に、The Global Network of People Living with HIV/AIDS (GNP+、世界HIV陽性者ネットワーク)へと発展。

1987年
・ウガンダで、アフリカ初のコミュニティ・ベースのエイズ対策組織(TASO = The AIDS Support Organization)発足。世界中で作られる同様の組織のロールモデルとなる。
・WHOが2月にエイズ特別プログラムを創設。
・国連総会でエイズに関する討議。国連総会が特定の病気をテーマに取り上げるのはこれが初めてだった。
・世界初のエイズ治療薬―azidothymidine (AZT)―が米国で承認される。

1988年
・HIV/エイズに取り組む専門家の組織として国際エイズ協会(IAS)が発足。
・エイズに関する初の世界保健大臣会合がロンドンで開かれる。
・WHOが12月1日を世界エイズでーとすることを宣言。
・サハラ以南のアフリカでは、女性がHIV陽性者の半数を占める(各国調査に基づく最近のモデルで推定)。

1990年
・1990年までに100万人の子供が両親またはどちらか一方の親をエイズで失っている。

1991年
・レッドリボンがエイズ啓発の国際的なシンボルとなる。
・コミュニティのエイズ対策への積極的な参画を目指し、非政府組織、コミュニティ・ベースの組織の世界ネットワークとして、エイズ・サービス組織国際協議会(ICASO)が発足。

1992-1993年
・ウガンダとタイでエイズの流行に対し、国をあげて対策と取り組んだ結果、HIV陽性率の低下が始まる。

1994年
・パリでエイズ・サミット開催。42カ国政府代表が参加、HIV陽性者のより積極的な参加(GIPA)原則が倫理的にも効果的なエイズ対策を実現するうえでも重要であることを宣言。
・ HIVの母子感染防止のための最初の治療薬の組み合わせを開発。

1995年
・東欧で薬物使用者のHIV感染のアウトブレークが判明。

1996年
・国連合同エイズ計画(UNAIDS)が活動開始。
・バンクーバーで開かれた第11回国際エイズ会議で、抗レトロウイルス薬の多剤併用療法(HAART)の効果に関するエビデンスが国際エイズ会議としては初めて報告される。
・ブラジルが途上国としては初めて、抗レトロウイルス治療を公的健康保険システムにより提供。

1997年
・UNAIDSの支援を受け、アフリカで初の公的な抗レトロウイルス治療プログラムであるドラック・アクセス・イニシアティブ(The Drug Access Initiative)がカンパラでスタート。次いでアビジャンでも始まる。
・HIV/エイズに関する世界ビジネス協議会が発足(のちに、エイズに関する世界ビジネス連合となる)
・エイズの流行が子供に与える影響に焦点をあてた報告書「危機に瀕する子供たち:HIV/エイズ支援戦略」を米国際援助庁(USAID)が初めて刊行。

1998年
・母子感染防止のために初の短期間の治療薬の処方を発表。
・南アフリカでHIV陽性者らが治療のアクセス確保を政府に求め、治療行動キャンペーン(TAC)を設立。
・製薬会社39社が南アフリカ政府に対し、治療薬の価格を下げるための立法に反対して訴訟を起こす。

1999年
・タイで途上国における初のHIVワクチン効果判定臨床試験(注:第3層試験か)がスタート。
・アフリカにおけるエイズ対策を強化するため、国連が主要な利害共有者の力を結集することを目指したアフリカ・エイズ対策国際パートナーシップを発足させる。

2000年
・国連安全保障理事会が初めて、エイズに関する集中討議を開催。
・ミレニアム宣言の中で、ミレニアム開発目標が発表され、エイズ・結核・マラリアの流行を拡大から縮小へと転じることが、主要8目標の一つに盛り込まれる。
・UNAIDSとWHOが製薬会社5社と共同で、途上国のHIV治療のアクセスを拡大するための共同構想(The Accelerating Access Initiative)を発表。

2001年
・コフィ・アナン国連事務総長がアブジャ(ナイジェリア)で、途上国のエイズ対策に毎年70億-100億ドルの「戦費」が必要として、資金確保のための行動を呼びかけた。
・国連エイズ特別総会が初めて開かれ、全加盟国の賛成でHIV/エイズに関するコミットメント宣言を採択。宣言はエイズの流行を地球規模の大災害と位置づけ、世界全体でエイズとの闘いに取り組むことを求めている。
・世界貿易機関(WTO)がドーハ宣言を採択し、ジェネリック薬によってHIV治療のアクセスを拡大することを認める。

2002年
・世界エイズ・結核・マラリア対策基金が活動を開始し、第1次補助金を承認。

2003年
・ブッシュ米大統領が一般教書演説で150億ドルの大統領エイズ救済緊急計画を発表。
・WHOとUNAIDSが低・中所得国で抗レトロウイルス治療を受けられる人を2003年時点の40万人から2005年末に300万人に拡大することを目指し、「3バイ5」計画を発表。

2004年
・UNAIDSが世界女性エイズ連合を創設。
・国内および国際的なエイズ対策関係者が各国で効果的にエイズ対策を進めていくための「3つの統一」原則 ― 各国における統一されたエイズ政策の枠組み、統一されたエイズ対策実施主体、統一されたモニタリング・評価システム ― に関する合意が成立。

2005年
・英国のグレンイーグルス主要国首脳会議(G8サミット)で、各国首脳は、2010年までに世界全体で抗レトロウイルス治療のユニバーサル(普遍的)アクセスの実現に可能な限り近づくことを約束。
・ニューヨークで開かれた国連世界サミット2005で、世界の指導者たちは、2010年までに必要な人に対する治療のユニバーサル(普遍的)アクセスの実現に可能な限り近づくことを目指し、HIV予防、治療、ケア、支援の規模拡大のための行動を取ることに合意。
・インドのマンモハン・シン首相がエイズ国家協議会を設立。
・中国の胡錦涛主席がエイズ対策の拡大を宣言。
・各国のエイズ対策強化のための多国籍機関および国際ドナー間の調整に関する世界特別委員会が国際的なエイズ対策の改善策を提言。
・ユニセフとUNAIDSが、子供に及ぼすエイズの流行の甚大な影響に焦点をあてたキャンペーン「子供を守り、エイズと闘うための協力」を開始。
・低・中所得国で抗レトロウイルス治療を受けている人は2005年末時点で130万人に達している。

 

 


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